日刊OkiMag

沖縄の民話

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 前回お話したように沖縄では、60歳で還暦、88歳でトーカチと呼ばれる米寿のお祝い、そして97歳になるとカジマヤー(風車)のお祝いをします。 今日は、カジマヤー(風車)の由来についてお話します。

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■カジマヤーの始まり   【具志川市】

 大昔、天に届くほどの大きな木がありました。神様がその木を伝わって、天から降りて来てみると、地上には柔らかい良い土がたくさんありました。 「うん、この土ならば私が思っているような人間が作れそうだ。」と、神様 はすぐに六つの土の人形を作りました。ところが、作り終わったのが夕方にな っていたので、「これは大事な人間だから夕方に息を吹き込むのは良くない。  朝の満ち潮の時に命を与えよう。」と言って天に昇っていきました。

 ところが、翌朝、人形を作ったところに神様が降りて来て見ると、六つの人形は跡形もないほどめちゃめちゃに壊されていました。  「ひどいことをする者がいる。仕方がない。もう一度作るとするか。」  そこで、神様はもう一度、土で六つの人形を作りました。しかし、作り終わ ったのがまた夕方になってしまったので、神様は今度もその人形に命を与えな いで天に昇っていきました。

 三日目に天から神様が降りて来て見ると、また六つの人形は壊されていまし た。天の神様は大変怒り、六つの人形を作ると、その晩は誰が壊したのか見つ けようと思って見張りをすることにしました。

 その晩の真夜中になると、突然 まぶしい光が輝いて地面が二つに裂け、その中から老人の神様が現れて天の神 様が作った六つの人形を壊そうとしました。天の神様は、大声でそれを止めま した。「待て待て、私の物を勝手に壊すな。」  すると、地下から来た老人の神様は言いました。「私は、土の神だ。私に断 りなく土でこんなものを作ったのはお前か。」 そう土の神から言われると、 天の神も土の神に詫びるほかありませんでした。

 「そうか、これは悪かった。人間という者を作ろうと思って人形を作ったのだ。すまないが百年の間、この土を貸してくれないか。」  天の神は、土の神に頼んでその土を貸してもらい六つの人形を作ると、朝そ の六つの人形に命を吹き込みました。六つの人形は六人の人間になり、それが また三組の夫婦になって人間の世が始まりました。

 そのうち人間が次第に増えたので天の神が喜んでいると、97年目に土の神が やってきて言いました。

 「もう土を返してもらう約束の日になったから、返してくれ。」
 「まだ、百年は過ぎていないがどうして今日で百年なのだ」
 「いや、閏(うるう)の月が3年分あるから、それを数えると今日がちょうど百 年目だ。上の神様からのお達しもあるから、どうしても今日返してくれ」

 ところが、その時にはまだ子供もおれば、年寄りの人間もいました。 そこで、天の神様は土の神様に頼みました。「ご覧のように子供もいる。 それにみんながみんな百年生きたわけではない。どうにかならんか。」  そこで、天の神や土の神よりも偉い神様に申し訳が立つように、97年以上生 きた人間には、風車を持たせて、生まれたばかりの赤ちゃんの真似をさせるこ とにしました。

 沖縄では、97歳になると老人に風車を持たせて、村中を行列して歩いて、97 歳のお祝い(カジマヤー)をするのは、このように赤ん坊の真似をさせる約束が あるからだそうです。

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