日刊OkiMag

沖縄の民話

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_ 沖縄の夏は、台風が多いですよね!今年は少なかったですが。  今回は、どうして夏になったら暴風が吹くのかについて。

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■海の神と陸の神   【名護市】

 大昔のこと、春のある日、陸の神が領地の見回りをしていると海が見えたの で、海辺にやってきました。春の海は、波が静かで海辺には美しい白浜が広が っていました。海岸の白浜は、海の神のものと決められていたので、陸の神は 白浜を眺めて思いました。「なんと、美しい白浜だ。ここをなんとか私の領地 にしたいもんだ。」そう思った陸の神は、白浜の沢山の浜昼顔を植えました。  「こうすれば、ここもいつかは私の領地になるだろう。」浜昼顔は、蔓を延 ばすとどんどん白い砂浜に根を下ろして広がっていきました。  陸の神は、浜昼顔が広がって、あの美しい白浜が自分の領地になることを楽しみにしていました。

 やがて夏になりました。ある日、海の神が太陽の光が眩しい白浜にやってくると、浜昼顔が波打ち際まで延び美しい花を咲かせていました。  「はぁ、なんと美しい花なんだろう。私の髪飾りにしよう。」  海の神は、思わずその美しい浜昼顔の花を取ろうとしました。  すると、陸の神がそれを見つけて、駆け寄って来て、「これは私の物だよ。 取ってはならん。」と言って海の神の手をつかみました。  「そんなことをすると許さないよ。」と海の神が言いました。陸の神は海の 神の手をつかんだまま言いました。「この白浜を私に譲れ。私に譲るなら手を 放してやる。」 海の神は、白浜は自分の領地だから、「なにを言うか。ここ は元々私の物だ。お前の物じゃないぞ。」と答えて、陸の神の手を振り払いま した。二人の神は、白浜がどちらのものか問答したが互いに譲りませんでした。  すると、海の神は怒って大波をおこして、浜昼顔を白浜から追い払おうとし ました。しかし、浜昼顔は、大変根が強くて大波でもなかなか引き抜けません でした。

 次の夏がきました。陸の神はまた白浜を自分の領地にしたいと浜昼顔をいっ ぱいに広がらせ花を咲かせたので、海の神と陸の神は、喧嘩を始めました。  こうして、陸の神が浜昼顔を白浜に伸ばす夏の度ごとに、海の神は浜昼顔を 追い払う風を吹かせて大波を寄せるんだが、今でもまだ、二人の喧嘩の決着は ついていません。それで、毎年この二人の神様が喧嘩するので、夏になったら 暴風が吹くという話です。

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