日刊OkiMag

沖縄の民話

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 沖縄には福木、蒲葵(くば)、アダン、カジマル、蘇鉄(そてつ)などの木々が  適材適所に生えている。今回はこの木々の役割と生える場所の由来について。

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■木々の由来      【竹富町】

 大昔、世の始まりに神様が八重山の島々を作った時、島には一本も木がなく、むき出しの岩ばかりでした。そこで神様が八重山の島を緑の島にしようと木々を呼び寄せました。

 最初にやって来たのは福木でした。  次に松がやって来ました。三番目に桑がやって来ました。それから少し遅れて、竹と蒲葵(くば)とアダンがやってきました。島にやって来た木々は福木も松も桑も、後でやって来た竹、蒲葵(くば)、アダンもそれぞれ土地の肥 ヲたよい場所に住もうと喧嘩を始めました。

 「ここは俺がいる場所だ。」「ここは俺が生える場所だ。お前こそあっちへ行け。」これを見た神様は、慌てて「喧嘩はやめてここに集まりなさい。」 と木々を集めて、それぞれの木の役目と生える場所を決めてやりました。

 一番先にやって来た、幹が丈夫で大きい堅い葉をした福木には、「お前は人間の屋敷の周りにならんで生え、人間の家を大風や火事から守りなさい。」 福木は人間の家を守れと言われたので大変喜びました。

 二番目にやって来た松には、「お前は美しいので村を取り囲んで病魔や悪霊から村を守りなさい。」松も村を守れと言われたので喜びました。

 三番目に来た葉の柔らかい桑には、「お前の葉は、大風が吹けばすぐに落ちるが、その代わりすぐまた葉も実も出るようにするから、屋敷の中や畑に生えて人間や小鳥を助けなさい。」と神様は言いました。

 少し遅れて来た竹と蒲葵(くば)とアダンには、「竹は天から降ってきた雨水を少しずつ下に降ろし、根を横に張って大雨でも山崩れしないように、地震の時に地割れをしないようにしなさい。それから、薪の代わりになったり竹竿や笊(ざる)、籠(かご)になるのもお前の役目だから子孫をたくさん増やしなさい。また、蒲葵(くば)はその大きな広い葉で団扇(うちわ)や釣瓶(つる ラ)になって世のために尽くしなさい。アダンは海岸が大波に削られないように島を守りなさい。」その代わり牛や馬に食われないように刺(とげ)をつけてやろう。」とそれぞれの役目を決めてやりました。

 神様がようやく集まった木みんなに役割を決めてほっとしていると、遅れて来た蘇鉄(そてつ)が、「この私はどこに住めばいいのでしょうか。」と尋ねました。もう残っている所といえば岩だらけの荒れ地だけでした。 神様は、蘇鉄に「お前は遅れて来たから岩だらけの土地で我慢しなさい。 それから島が飢饉になった時には身体を投げ出して人間を救いなさい。」と命令しました。蘇鉄はがっかりした顔をしたが、仕方がないので岩だらけの 奄ケた土地に住むことにしました。

 神様は、今度こそみんな役目を決めてやったから帰ろうとしました。 すると、そこにアコウとガジマルがやって来て、神様に恐る恐る聞きました。「私たちは、どこに住んだらいいのでしょうか。」 怒った神様は、「お前達は勝手に石でも抱いていろ。」と言って帰っていきました。それで、アコウとカジマルは今でも石に抱きついているというお話です。

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Copyright (C) 1999 沖縄まが人


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