日刊OkiMag

沖縄の民話

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 仲が悪い「犬猿の仲」のことを沖縄の方言では「犬(いん)とぅ猫(まやー)」といいます。今回はこの「犬(いん)とぅ猫(まやー)」の由来について。

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■犬と猫と宝物     【勝連町】

  昔は犬も猫も同じように畳の上で飼われていました。 ある日、宝物が泥棒に盗まれてしまったので、主人は犬と猫に「宝物が盗まれたので、二人で行って捜してきなさい。」と言いつけました。

  犬と猫は、捜し求めてやっと泥棒の家を見つけました。その家は門が閉まっており犬は上がることができませんでした。すると、猫が門の傍から上がって行って、門の鍵棒をはずして門を開けて、犬も家に入れ一緒に宝物を捜しました。

  すると、天井に隠してあった宝物を猫が見つけました。猫は宝物を口にくわえて主人の家に向かいました。しかし、帰る途中にあった川が雨で水かさが増し、猫は渡ることができなくなってしまいました。 泳ぎが上手な犬はその川を泳いで渡り始めました。   それを見ていた猫は、「泳ぎは上手くないが、仕方がないなぁ。」と泳ごうとしました。しかし、すぐに溺れてしまい、くわえていた宝物を川に落としてしまいました。

  先に帰った犬は主人に、「どれ宝物は?」と聞かれると、「なかった。」と答えました。「それでは猫はどうしたんだい。」主人にと聞かれると、犬は「アキヨー、途中で雨が降って川が渡れなくて猫は川の傍らにいるよ。」と答えました。

  その頃猫は、「ああ、大切な宝物を落としてしまった。」と残念がって川の傍らで川の水が引くのを待っているうちに猫は腹が減ってきました。 そのうちに死んだタマンという魚が下流の方に浮いているのを猫は見つけて「あぁ、いい食事ができたぞ。」とこの魚を食べました。 すると、その魚のお腹の中に落とした宝物が入っているではありませんか。 猫は、大喜びで主人の家に帰ってきました。

  主人は「犬は早く帰ってきたのに、お前はどうしてこんなに遅いんだ。」と聞きました。猫は遅れた理由を主人に話し、持ち帰った宝物を主人に渡しました。それで主人は、「猫はいつも私の傍らで生活しなさい。」  と言いました。嘘をついた犬は、「お前のような奴は門番だ。」と言ってそれから犬は門番にさせられました。

  元は同じ座敷で育ったのですが、その時から犬は門番で猫は畳の上で生活するようになりました。 だから、犬と猫は仲が悪くなり、敵どうしみたいになったということです。

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