日刊OkiMag

沖縄の民話

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 今回は、どうして蠅は前足、後足をすり合わせるかについてのお話。

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■蠅(はえ)と雀(すずめ)    【国頭村】

  昔、蠅(はえ)と雀(すずめ)がいました。

  蠅と雀は友達でしたが、ある時ちょっとしたことで喧嘩になって蠅は雀に負けそうになりました。それで、雀のことを憎らしく思った蠅は雀をやっつけてやろうと思って王様のところへ行きました。

  蠅は、「王様、雀は王様の倉の米を全部盗んで食べています。王様に大変無礼なことをしていますので、雀を罰して下さい。」と言いつけました。これを聞いた王様は怒って、「これは見逃しておけん。」と言って、家来に雀を呼ばせました。

  何も知らない雀は、「何ですか。王様」と言って王様の前にかしこまって座りました。王様が、「雀よ。お前は許しておけん。」と言ったので、雀は王様がどうして怒っているのか分からず、大変驚きました。

  「王様、私が何をしたのですか。何か悪いことをしたとでもおっしゃるのですか。」

  「お前は自分で悪いことをしたのもわからないのか。みんなから集めた私の米を全部お前が食べて、私は残りを食わされている。お前のような奴は罰してやる。」

  「これは大変なことになった。何とかしなければ。」思った時、雀は王様が怒っているのは、もしかしたらあの蠅の仕業かもしれないと思いました。そこで、「王様、私より蠅のほうがもっと無礼ですよ。」と言いました。

  「何だと。そのわけを言え。」と王様が尋ねると、雀は「私は王様の倉の前に落ちている米をいつも掃除しているだけです。しかし、蠅は王様の御馳走を王様が箸をつけない前に、汚い足でご飯の上に上がって食べて、その残りを王様が食べているのですよ。」

  王様はびっくりして、「そうか、そうかそういえばそうじゃな。」と言って今度は家来に、「蠅を呼んで参れ。」と言いつけました。蠅は自分が勝っていると思って喜んでやってくると、「蠅よ。お前はもう許さんぞ。」  と王様が怒ったので、蠅はびっくりしました。

  「な、何ですか。どうして雀が悪いことをしているのに私を許さないとおっしゃっているのですか。」

  「お前の話は通らない。あの雀は倉に納める時にこぼれた米を食べて、掃除をしているのだ。それと較べると、お前は私が箸もつけないうちに、私の御馳走の上を飛んだり、先に食べてしまって、その残りを私が食べているではないか。許さんぞ。」

  「王様、お許し下さい。どうか罰しないでください。」と蠅は手を合わせて謝りました。「それならば、お前は間違って告げ口をした雀と世の人々にお詫びをするようにして、それを子孫にも受け継がせろ。」と命令しました。

  それから蠅は前足二本で王様に、また後足二本で雀に向かってお詫びをするようになり、この時の王様の命令で、蠅は、一日千回前足をすり合わせて王様に謝り、後足を千回すりあわせて雀に詫びているということです。

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