日刊OkiMag

沖縄の民話

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 今回は、アカマター(蛇)が龍になったお話について。

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■千年蛇    【粟国村】

  昔、大層働き者だが貧乏な男がいました。その男は、畑にたくさんの黍(きび)や稗(ひえ)を植えていました。男がいつものように畑に行くと、アカマター(蛇)が首をもたげて一生懸命天に昇ろうとしていました。男が見ていると、アカマターは何度も天の途中まで昇っては落ち、昇っては落ちしていました。

  やがてアカマターは、近くに男がいたことに気付いて、男に言いました。「あなたが見ているから、天に昇れないのだ。あなたさえこのことを誰にもしゃべらなければ私は龍になって、空を飛ぶことができるのだが。私がもし龍になって飛べるようになったらあなたに宝物を落として金持ちにしてあげるから、今見たことは秘密にしてくれないか。」と頼みました。

  男は、「分かった。誰にも絶対言わないよ。それじゃ、私はあっちに行っているから早く天に昇りなさい。」と言いました。すると、アカマターはあっと言う間に龍になって天に昇って行きました。

  その後、龍になったアカマターは、男の家の台所と母屋の間に、龍の肝を落としてやりました。この龍の肝はどんな病気でも治せる不思議な薬だったので、男はそれを売って瞬く間に金持ちになりました。

  何年か経ったある日のこと、男は妻と喧嘩をしました。妻は「私が一生懸命働いたからこんな金持ちになったんだ。」と言いました。男も負けずに、「いや、俺が働いたからこんなに金持ちになったんだ。」と言いました。

  それでも妻は「これは私のおかげだよ。」と譲らないものだから、怒った男は我慢ができなくなって、「金持ちになったのは、ずっと前に天に昇ろうとするアカマターを助けてあげたからだよ。アカマターのおかげだよ。」と、つい口を滑らしてしまいました。

  その晩、庭にドーンと物が落ちる音がしました。庭に出てみると龍になったアカマターがもとのアカマターになって男の台所と母屋の間に落ちていました。そして、その家は、また貧乏になってしまったということです。

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