日刊OkiMag

沖縄の民話

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 今回は、年老いた烏の智恵についてのお話。

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■年寄り烏(カラス)の智恵    【竹富町黒島】

  昔、八重山の黒島にとっても年を取った烏(カラス)がいました。年取った烏は、飛ぶのが遅いからいつも若い烏達は、この年取った烏を馬鹿にしていました。

  ある日のこと、若い烏が遠くから飛んで来て、仲間の烏に教えました。「おい、波照間島(はてるまじま)に、すばらしい御馳走があるぞ。」「えっ、御馳走。御馳走ってなんだい。」  「太ったおいしそうな牛が死んでいるんだよ。」

  烏達は大喜びで「じゃあ、みんなですぐに行こうか。」と、早速みんなで波照間島に牛を食べに行くことにしました。すると、あの年寄りの烏がみんなに頼みました。「私は飛ぶのが遅いかね。すまんがこの年寄りのために一番美味しい牛の角を残しておいてくれないか。」

 「えっ、一番うまいのは牛の角なのか。それはいいことを聞いた。」若い元気な烏達は、おいしい牛の角を早く食べようと、波照間島めざして急いで飛んでいきました。

  年寄りの烏は、その後からゆっくり、ゆっくり飛んでいきました。波照間島には、大きい牛が死んでいました。黒島から飛んで来た若い烏達は、夢中で牛の角にむらがると、コンコン角をつつきはじめました。

  ところが、牛の角は固くて幾らつついても食べられませんでした。「あの爺さんは、牛の角がおいしいと言っていたが、そのうまいところはもっと中の方かな。」 そうかもしれない。だけどどうやってこの角の中を食べるんだ。」

  そんな話しをしながら、若い烏達が一生懸命牛の角をつついているうちに年寄りの烏がゆっくりゆっくり飛んできました。年寄りの烏は、「牛の一番おいしいところは、目玉だったんだよ。では、食べさせてもらうよ。」そういうと、牛の目玉をぺろりと食べてしまいました。

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Copyright (C) 1999 沖縄まが人


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