日刊OkiMag

沖縄の民話

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/<< 【連載】沖縄の民話 >>_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

 今回は、働くことの大事さについてのお話。

---------------------☆--------------------

■長者の教え    【宮古島城辺町】

  昔、隣合わせに、仲のよい二人の男が住んでいました。東の男は豊かな暮らしをしていましたが、西の男の方は貧しいものでした。

  ある日、二人はトゥクネヤー(占いをする人の家)に行くことにしました。トゥク(占い師)は、お経のようなものを唱えてから東の男に、「東の家では食べ物もたくさんあり、いい運命だ。あなたは働かなくてもいい暮しができる運命だ。」と言いました。

  西の男には、「あなたは、いつも一生懸命働いているが、なかなか暮らしはよくならない。あなたの入れ物に問題があるんだよ。入れる口は大きいし、出す口も同じく大きい。入れる口と出す口をどのようにしたらよいか、考えてみることだね。」と言いました。

  東の男も西の男もトゥクの占いを心にとめて家に帰っていきました。その日から西の男はあの言葉を考えて生活の立て直しを図りました。一生懸命に働き、入れる時の口はうんと開き、出す時の口はできるだけ小さくしました。すると次第に暮しはよくなりました。

  東の男はトゥクの言葉を信じて働くことをしないで暮らしました。すると、日に日に蓄えた物は底をつくようになり暮しは次第に苦しくなっていきました。

  それでも、東の男は働こうとしないで、退屈になったのでぶらりと西の男の家に遊びに行きました。庭に入って西の家に、「誰かいますかね。」と声をかけましたが返事はありませんでした。

  東の男は「貧しい者はいつも忙しいようだね。家に帰っても仕事もないし、ここでゆっくり休んでいこう。」と思いました。そして、縁側でごろりと横になっていました。

  西の家の庭には枝がたわむほど蜜柑(みかん)がたくさんなっていました。それを見た東の男は、「起き上がって取るのは面倒くさい。」と寝転んだまま足を伸ばしポンと木を蹴りました。すると五つ六つの熟した蜜柑が落ちて来ました。

  東の男は蜜柑を食べながら考えました。「そうか、足だけを動かしてもこれだけの物を食べることができる。もし、体の全部を動かしたら、もっとたくさんの物が得られるはずだ。」と、東の男も働くことの大事さを知ってまた働くようになったということです。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★≪ お願いはじまり ≫★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
当民話は、沖縄国際大学文学部 遠藤庄治教授のご厚意により掲載させて頂いてお
ります。その転載・複写、一部引用等の二次利用は、教育目的、学術的な研究目的、
啓蒙的な意義のある活動(営利を目的としないもの) において自由に可能です。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★≪ お願いおわり ≫★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

沖縄の民話を許可なく無断転載することを禁じます。
Copyright (C) 1999 沖縄まが人


≪戻る