日刊OkiMag

沖縄の民話

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 今回は、樽(たる)の由来についてのお話。

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■樽(たる)の由来    【八重山与那国町】

  樽(たる)は木と竹の輪でできているでしょ。だから、樽は木と竹の輪がないとできませんよね。その樽の由来の話はこうです。

  昔、ある所に村きっての美男子と美女がいました。それで、二人は互いに愛しあって、将来は結婚しようと誓っていました。

  ところが、両方の親達が二人の結婚を許しませんでした。二人はなんとかして親たちに分かってもらおうといろいろやって、親たちに結婚を許してくれるよう頼みました。しかし、親たちは何を言っても絶対に許してくれませんでした。

  困り果てた二人は、「ああ、これならもう死ぬより他にない。死んで天国に行って結ばれよう。」とこの世の中をあきらめて二人は一緒に心中しました。それを知った村の人たちはこの二人の死をとっても悲しんで「なんでまあ、二人の恋を親たちは聞き入れなかったのかな。」と死んだ二人に同情するものもいました。

  この男の墓は村の東はずれにつくられました。そして、この女の墓は村の西はずれと、それぞれ遠くかけ離されてつくられました。男の墓の上には竹が植えられ、女の墓の上には木が植えられました。

  そうして、これから幾年か経ったそうです。男の墓の竹は女の墓の西の方向にのび茂り、また女の墓の木は男の墓の方向にのびていき、ついに竹と木は互いに重なりあって、交わるようになりました。そして風が吹けば、木と竹がすれあって音がして、その音が唄を歌っているように聞こえたそうです。

  そうすると、村の人たちはこの出来事に大変驚いて、「自分達は、二人の墓をあんなに遠い所につくって、あの世までも邪魔したんだね。」と悔いました。そして、「これではいけない。」と、それから掘り出して一緒に同じ場所に葬ってあげました。

  その時に、男と女の墓に植えてあった竹と木を切って樽を作ったのが樽の由来ということです。

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