日刊OkiMag

沖縄の民話

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/<< 【連載】沖縄の民話 >>_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

 今回は、神女が神に捧げる歌は鳩の鳴き声が由来であるというお話について。

---------------------☆--------------------

■鳩(はと)と神歌    【勝連町津堅】

  鳩(はと)という鳥は人間の真似をするらしいです。 昔、鳩は他の鳥の鳴き声を真似てばかりいました。

  そんな時、ある鳥が鶯(うぐいす)のようにきれいな声でさえずっていました。鳩はその小鳥の真似をして、自分も囀(さえず)ろうかと考えていましたが、そんなきれいな声を持っていなかったので、真似をしようと思ってもできませんでした。鳩が鳴く時は、ココーンココーンコーン、ココーンコ  コーンコーンと鳴くことしかできなかったのです。

  どうしてそのように鳴くかというと、ココーンココーンコーンと鳴くのは、雄の鳩なら自分の嫁を呼んで、「妻ん来ん来ん、子来ん来ん(妻よ来い来い、子供よ来い来い)。」と鳴き、雌なら「夫ん来ん来ん、子来ん来ん(夫よ来い来い、子供よ来い来い)。」と鳴いているからだそうです。これはほんとうかどうかはわかりません。

  そうして、鳩はあの小鳥の鳴き声がきれいだから、とてもうらやましく思って、「あの小鳥の鳴き声がとてもきれいだから、自分はあの鳥が鳴くのをどうしても真似しないといけないなぁ。」と考えましたができません。

  すると立派に鳴く鳥が、「お前は私達の鳴き声をうらやましがっているようだけど、どうして私達の鳴き声を欲しがるのか。」と聞きました。

  そうしたら、鳩は「私は世の中に一つだけためになりたいと思っていることがあるんですよ。それは、神様に対して歌を、一つだけ作って残しておきたいことです。」と鳩が言いました。

  それで、「そうか。それはもっともだね。」と言って、そのきれいな声を持っている鳥が考えて、「さあ、それなら鳴き声を教えるから、教えたように鳴けよ。」と言いました。

 そこで、鳩が聞きました。「喉はどういうふうにしたらあなたがたのような鳴き声が出るのですか。」するとその鳥が「舌は下に降ろして、喉は上にあげて鳴きなさい。そうしたら、とても良い声が出るよ。」と教えたら、「ああ、そうだね。」ということで、やってみたら鳩は新しい声がでました。

  鳩は神様の家できれいな声で鳴いています。それで、人が鳩が鳴くのを聞いて、神様をあがめているから「神様に対して立派な声を出して鳴く、あの鳩は感心だぁ。」と鳩から鳴き声を習って、神のウムイを作ったということです。

  その神のウムイを私達も神ウムイと言って歌います。それから誰から習ったというと、鳩から習ったみたいです。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★≪ お願いはじまり ≫★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
当民話は、沖縄国際大学文学部 遠藤庄治教授のご厚意により掲載させて頂いてお
ります。その転載・複写、一部引用等の二次利用は、教育目的、学術的な研究目的、
啓蒙的な意義のある活動(営利を目的としないもの) において自由に可能です。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★≪ お願いおわり ≫★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

沖縄の民話を許可なく無断転載することを禁じます。
Copyright (C) 1999 沖縄まが人


≪戻る