日刊OkiMag

沖縄の民話
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 今回は、箸使いと弓名人のお話について。

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■箸使いと弓名人    【名護市】

  昔々、あるところに箸使いの名人がいました。
  その箸使いの名人は、橋の下を泳いでいる大きな魚でも小さな魚でも、
 お箸でひょいと掴んで籠(かご)に入れていました。

  これを見た弓の名人は、「ほっ、こりゃ偉い人だ。すごい名人だ。私も
 弓の名人だから、一つ勝負してみるか。」と思って、箸使いの名人に、
 「おい、あんたは、私の弓で放った矢を箸で掴むことができるか?」と
 聞きました。

  「矢なんか掴むのはなんでもないさ。」と箸使いの名人が言うので、
  「さぁ、それなら勝負しよう。」と言って二人は勝負を始めました。
  弓の名人は、弓を一杯に引いて箸使いの名人めがけて矢を放ちましたが、
 矢を放っても放っても箸使いの名人は矢を全部ひょいひょいと箸で掴んで
 しまいました。弓の名人はとうとう勝負に負けて家に帰ってきました。

  弓の名人は物知りの爺さんのところへ行って、箸使いの名人を負かすに
 はどうしたらいいのか教えてもらうことにしました。
  すると、物知りの爺さんは、「箸使いの名人は魚のように白いものなら
 何でもとれるよ。あんたの矢も白かったのではないか。」と言いました。

  「うん、白だったよ。」
  「それなら、今度は矢に真っ黒い墨を塗って勝負してごらん。」
 と教えてくれました。

  さっそく弓の名人は、弓矢を真っ黒に塗って箸使いの名人のところへ
 行きました。

  「さぁ、また勝負をしよう。」と言うと、箸使いの名人は、弓の名人が
 持っている黒い矢を見て、「参った。私には黒い矢はとれないから、今度は
 私の負けだよ。」と言って二人の勝負は五分五分の引き分けになりました。

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Copyright (C) 1999 沖縄まが人


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