日刊OkiMag

沖縄の民話
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 今回は、隠れ着物についてのお話。

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■マズムヌの隠れ着物    【宮古多良間村】

  島一番の知恵者のウプミークンゲンがマズムヌ(化け物)のいる墓地の
 大きな木の傍らに行き、「今日は一つ、マズムヌどもをだましてやろう。」
 とまるでマズムヌたちが見えているように話しかけました。

  すると隠れ着物を持ったマズムヌが、「あれ、隠れ着物を着ていたのに、
 俺達の姿が見えるのか。」とヒョッコリ現れました。
  ウプミークンゲンが、「そうさ、その着物の効きめを試してやるから、
 それを私に貸せ。」とその隠れ着物を取り上げ、すぐにそれを着たので、
 パッと消えてしまいました。

  マズムヌが慌てて、「おい、その着物は大事な宝物だから、必ず返して
 くれよ。」と頼みましたが、ウプミークンゲンは知らんふりをして逃げて
 しまいました。

  それから早速、ウプミークンゲンは隠れ着物を着ると姿が見えないのを
 いいことに、毎日お祝いのある家に行っては、御馳走をコッソリ食べたり、
 島の人たちにいたずらしておもしろがっていました。

  ところが、その隠れ着物を畑の草の中に隠しておくうちに、その畑の持ち
 主が畑の草を焼く時にいっしょに隠れ着物を焼いてしまいました。

  ウプミークンゲンは仕方がないので、隠れ着物の灰を身体に塗り付けて
 姿を隠し、いつものように食べ物のつまみ食いをしているうちに、おしっこ
 がしたくなったので、おしっこをすると、おしっこで濡れたところだけ、
 隠れ着物の灰が落ちて人に見えるようになってしまいました。

  ウプミークンゲンが、それに気付かないでお祝いに行って盗み食いをして
 いると、「あれ、さざえの身がこんなところにあるぞ。」と箸を持った人に
 追い掛けられました。

  着物をとられたマズムヌは、いつまでたってもウプミークンゲンが着物を
 返してくれないので、怒って果たし合いを申し込んできました。

  するとウプミークンゲンは、一日目も二日目もわざとマズムヌが苦手な
 鶏の鳴く時間に行って助かったが、三日目に時間を間違えて早くマズムヌの
 いるところに行ったので、マズムヌに捕まってしまいました。

  あわてたウプミークンゲンが近くにあった先祖の墓の卒塔婆(そとば)を
 投げ付けるとマズムヌはたちまち椰子蟹(やしがに)になってしまいました。
  「これは見たこともない大きい椰子蟹だ。明日食べてやろう。」とその
 椰子蟹を捕まえて、木に縛り付けておきました。

  翌朝行ってみるとマズムヌの椰子蟹は、一晩のうちに縛り付けた大きな木
 を引き抜いて逃げてしまい、その逃げた跡が海まで深い掘りになっていたと
 のことです。

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