日刊OkiMag

沖縄の民話
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/<< 【連載】沖縄の民話 >>_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

 今回は、教訓めいたお話で、徳がない人は黄金を無くしてしまうというお話
 について。

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■消えた黄金    【渡嘉敷村】

  昔、糸満の漁師が仲の良い友人と船を出して魚を釣りにいきました。
  その夜はあまり釣れなかったので、舳先(へさき)に乗った友人が、
 「今夜は駄目だな。ちょっと寝かせてくれ。」と言って、寝てしまいました。

  船の後ろで梶をとりながら釣りをしていた男の方は、それでも我慢をして
 釣りを続けていました。
  すると、舳先で眠っている友人の後ろの方がボオウッと明るくなり、
 見ているうちにそれが火の玉になって、外に抜け出しました。

  見ていた男は、「あれ、あれは魂というものだな。どうしたんだろう。」
 と思っていると、その火の玉はふわふわと空を飛びはじめ、男がじっと見て
 いると、海の上を遠くの方まで飛んでゆき、ガジャンビラの松の辺りでぐる
 ぐる回ると、そこからまた垣の花の方へ飛んで行きました。

  やがてしばらくして、火の玉がふわふわと帰ってくると、ぐっすり寝てい
 る友人の頭の後ろで消えてしまいました。
  火の玉が帰ってくると友人が目を覚まして、「ああ、夢を見ていたんだな。
 ガジャンビラの上にある松に黄金がある夢を見たよ。」と言いました。

  男はそれを聞くと、「どうせ今夜は魚が釣れないから家に帰ろう。」と
 言うと急いで糸満の港に帰りました。
  男は、妻に沢山の御馳走を作るようにいいつけると、さっそくガジャンビ
 ラに行って松の木を捜すと、そこには友人が言ったとおり沢山の黄金があり
 ました。

  喜んだ男はその黄金を重箱に隠すと、友人や近所の人たちを呼んで、皆に
 御馳走をしました。
  ところが男が次の日の朝、ほくほくしながら重箱を開けてみると、重箱に
 は何も入っていませんでした。

  この話を聞いた人たちは、友人には徳があったから黄金が見えたがあの男
 は徳がなかったから次の日には無くなったのだと噂しあったということです。

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当民話は、沖縄国際大学文学部 遠藤庄治教授のご厚意により掲載させて頂いてお
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Copyright (C) 1999 沖縄まが人


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