日刊OkiMag

沖縄の民話
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/<< 【連載】沖縄の民話 >>_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

 今回は、石垣の大蛸の祟りについてのお話。

              ---------------------☆--------------------

■大蛸(おおだこ)の祟り    【八重山・石垣市】

  昔、石垣島の御願崎(うがんざき)の近くに大きな蛸(たこ)が現れるよ
 うになりました。その蛸の大きさときたら、頭の大きさだけでも普通の家ぐ
 らいの大きさでした。

  この蛸は、御願崎の近くを船が通ると、いつの間にかその船の近くに現れ
 て長い足で船に抱きつきどんな大きな船も沈めてしまいました。
  困ったのは八重山の人ばかりではありませんでした。
  王様の命令で八重山に来る役人達もこの蛸に船が沈められるので、八重山
 に来れなくなってしまいました。
  そこで、首里の王様は七隻の船を出して、この大蛸を退治するように命令
 しました。

  七隻の船の人たちは、沢山の束ねた萱(かや)を積んで八重山の御願崎の
 沖に来ると、その萱を海に投げ入れました。
  たちまち海が一面に萱束で一杯になると、現れた蛸は、その萱の束に抱き
 つきました。

  七隻の船の侍達は、この時とばかりに大蛸目掛けて弓矢を射かけたので、
 さすがの大蛸も退治されてしまいました。
  ところが、この大蛸は海の神様だったので、その祟りで石垣島の周りには
 それまでたくさんいた蛸が一匹もいなくなり、魚も捕れなくなりました。

  石垣島の人たちにとっては、蛸や魚は大切な食べ物だったのでとても困っ
 てしまいました。島の人たちは皆集まって神様に蛸や魚がこれまでと同じく
 捕れるようにとお願いしました。

  神様達も島の人のこの願いを叶えたいと、集まって相談し、海の中の大き
 な岩を御願崎の大岩に乗せて大蛸の魂を祀ることにしました。
  しかし海の中にある大きな岩は、大きくて重いので、それを海の中から運
 ぶことができませんでした。

  するといつも夜寝る時は馬の鞍山(くらやま)を枕にし、ユナ森を腰に、
 タカ干瀬に足を置いて眠るイノシナの神が、「それじゃ、このわしがその岩
 を運んでやろう。」と海に入っていきました。
  神様や島の人々が見ていると、この神様は、身体が大きいので、どんなに
 深い海でも股のところまでしか水に浸かりませんでした。

  その大きな身体で海の中の大岩をつかんで、御願崎の大岩の上に乗せて
 くれました。
  それからこの岩を祀るようになると、蛸も魚も前と同じように捕れるよう
 になったということです。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★≪ お願いはじまり ≫★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
当民話は、沖縄国際大学文学部 遠藤庄治教授のご厚意により掲載させて頂いてお
ります。その転載・複写、一部引用等の二次利用は、教育目的、学術的な研究目的、
啓蒙的な意義のある活動(営利を目的としないもの) において自由に可能です。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★≪ お願いおわり ≫★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

沖縄の民話を許可なく無断転載することを禁じます。
Copyright (C) 1999 沖縄まが人


≪戻る