日刊OkiMag

沖縄の民話
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 今回は、大蜘蛛(おおぐも)と武士の闘いについてのお話です。

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■大蜘蛛(おおぐも)と武士    【名護市】

  昔々のこと、宮古島のある所に大きな蜘蛛(くも)が住んでいて、時々家
 畜を襲って食べたり、人にも襲い掛かって来たりしました。
  皆が怖がって暮らしていると、そこに一人の武士がやって来て、この話を
 聞き、「私が退治してあげましょう。」と言って、大蜘蛛の住んでいる山に
 出かけて行きました。

  武士は大蜘蛛と闘いましたが、どちらも強くて勝負がつきません。
  とうとう両方とも疲れてしまいました。
  それで、大蜘蛛が武士に聞きました。「お前が怖いのは何か。」
  武士はすぐに、「馬が一番怖い。」と答えました。

  今度は武士が、「君は何が怖いか。」と聞くと大蜘蛛は、「唾(つば)が
 怖い。」と答えました。
  大蜘蛛はすぐに武士が怖いと言った馬に化けて武士に向かって来ました。
  武士は素早く馬に跨(また)がって唾をつけたので、馬はすぐにおとなし
 くなりました。

  この馬に乗っていると、お金持ちがその馬を見て、
 「これは立派な馬だ。どうか私に売ってください。」と頼みました。
 武士が「ああ、いいよ。」と言うと、お金持ちは馬をとても高い値段で買っ
 てくれました。

  ところがしばらく武士が歩いていると、馬を買ったお金持ちが追い掛けて
 来て、「馬が暴れて大変です。ただでいいから引き取ってくれ。」と言いま
 した。

  武士が駆け付けると、馬が馬小屋から出て空を飛んで逃げていくところで
 した。それを見た武士は、矢の先にたっぷりと唾をつけて馬に目掛けて矢を
 放ちました。

  すると、馬は地面に落ちたが、姿が消えてしまいました。
  けれども地面に点々と血が落ちていたので、武士がその跡を辿っていくと
 山の洞窟の前に大きな蜘蛛が倒れて死んでいたということです。

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