日刊OkiMag

沖縄の民話
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 今回は、「アンマーよう〜い(お母さん)」についてのお話です。

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■親の声は神の声    【読谷村】

  皆さんは、「アンマーよう〜い(お母さん)」と叫んだことがありますか。
  怪我をした時や怖い目にあった時など、昔の人は「アンマーようい」と
 叫んだということです。

  昔、カマーという男の子が両親と一緒に幸せに暮らしていました。
  ある日、父(おとう)と母(おかあ)がカマーを呼んで、「カマーや、
 お前ももう十五になったし、唐の国へ行っていろいろなことを学んでくると
 いいね。」と言いました。

  カマーは一ヶ月後に大きな夢を胸に抱いて元気良く唐の国へ旅立ちました。
  幾日か過ぎて船は唐の国の港に着きました。幸い着いた日は、とても良い
 天気で空は青く晴れ渡っていました。
  高い空を見上げ都を目ざして歩き始めました。
  幾つもの山を越え、谷を越えてもまだまだ着きません。

  すると今まで大変いい天気だったのに、突然空が暗くなって大雨が降り出
 しました。「これは大変だ。傘も持ってないしどうしょう。」
  困っていると近くに大きな岩屋があったので雨宿りをすることにしました。
  雨はだんだんひどくなるばかりです。

  時間もだいぶ経ってきて、疲れてとうとう眠ってしまいました。
  すると遠くから「カマーよう、カマーよう。」と呼ぶ母親の声がしました。
  「あれっ、アンマー(母)の声がした。確かにカマーようとアンマーの声
 がした。」とカマーはびっくりして「アンマーよう〜い、アンマーよう〜い」
 と、急いで岩穴から飛び出しました。

  その時稲光がピカッと光り、すごく大きな雷鳴がしたかと思うと、自分が
 雨宿りしていた岩屋がドドドーと崩れました。
  カマーは危うく岩の下敷きになるところでした。

  カマーは、「そうか。アンマーの声はその知らせだったのか。外に出て
 アンマーよう〜いと叫ばなかったら、命を落とす所だった。」と思いました。
  それで、親の声は危うい状態から救ってくれる神の声ということです。

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