日刊OkiMag

沖縄の民話
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 今回は、黄金の花を見つけてお金持ちになった正直者のお爺さんについての
 お話しです。

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■黄金の花    【八重山・石垣市】

  昔、ある村に大変正直なお爺さんがおりました。
  ある日、そのお爺さんが夕方に畑から帰って来ると、よその家の畑に黄金
 の花が咲いていました。
  お爺さんは昔から「黄金の花の咲いている所には黄金がある。」という
 ことを聞いて知っていました。

  それでもお爺さんは、そこにある黄金を取ろうともしないで、見事な黄金
 の花に見とれていました。あたりは、もう星が出ている暗さなのに、黄金の
 花の光でその畑だけは、昼間のように明るく見えました。

 「これは、なんと見事な黄金の花だろう。多分この畑の主には徳があるから
 こんな立派な黄金の花が咲いたのであろう。」
  お爺さんは家に帰ると、早速お婆さんにこう言いました。
 「婆さんや、今日は見事な黄金の花を見たよ。婆さんにも見せてやりたかっ
 たねえ。」それを聞いたお婆さんはとても残念がりました。

 「そんな立派な黄金の花なら、そこにはきっと大きな黄金があるんですよ。
 それを取ってくれば私達の家も大金持ちになれるのに。爺さんや、もう一度
 行って取ってきてくれませんか。」と言いました。

  お爺さんは、「いやいや、あれは他人の畑に咲いた花だから、その人の物
 だよ。徳があれば、黄金はひとりでにやって来るもんだよ。」と言いました。
 「お爺さんは、いつもそんな人の良いことばかり言っているんだから。
 だから、私達の家はいつもこんな貧乏なんですよ。」といくらお婆さんが言
 っても、お爺さんは黄金を取りに行こうとはしませんでした。

  その時、ちょうど泥棒が床下に隠れていました。
  泥棒はせっかく盗みに入ったのに、お爺さんの家があまりにも貧乏で、
 盗む物が何もないので、もうよその家に盗みに行こうかと思っている時に、
 この話を聞きました。

 「しめたぞ。これはいい話を聞いたもんだ。さっそくそこの黄金を取りに
 行こう。」泥棒は、お爺さんから聞いた畑に行って見たが、どこにも黄金の
 花は咲いていませんでした。
  それでも泥棒は、「たしかにこの畑と言っていたんだが。」と夢中で黄金
 の花を探しました。
 「このへんかな。黄金の花が咲いている所は。夜でも明るく見えると言って
 いたんだが、おかしいな。」

  その畑には大きなハブがいました。泥棒は幸い月明かりで、とぐろを巻い
 て飛びかかろうとしているそのハブを見つけました。
 「おっと危ない。こんな所にハブがいるぞ。ははぁ、あの爺さんは俺が隠れ
 ているのを知っていて、ハブに噛まれるように、あんなでたらめを言ったん
 だな。よし、それなら仕返しをしてやろう。」

  怒った泥棒は、そのハブを捕まえるとお爺さんの家に持って行って、その
 ハブを投げ込みました。
  翌朝、お婆さんが目を覚ますと、枕元にまぶしく光るものがありました。
  それは大きな黄金でした。
 「爺さん、爺さん。黄金があるよ。」
  すっかり喜んだお婆さんは、お爺さんに言いました。
 「爺さんの言うとおりだね。徳があるから黄金が来たんだね。」
  それから、正直者のお爺さんの家は、大変な金持ちになって、幸せに暮ら
 したということです。

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当民話は、沖縄国際大学文学部 遠藤庄治教授のご厚意により掲載させて頂いてお
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