日刊OkiMag

沖縄の民話
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/<< 【連載】沖縄の民話 >>_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

 今回は雨漏りと日本のさるの尻尾がなぜ短いかについてのお話しです。

              ---------------------☆--------------------

■漏り加那志(もりがなし)    【宮古多良間村】

  昔、大雨の夜の晩、戸を閉めてお爺さんとお婆さんが座っていると、狼が
 軒下に来ているのをお婆さんが見つけました。
  お婆さんは、狼が怖いから、「あれ、お爺、お爺、狼だよ。」とお爺さん
 に言うとお爺さんは「たかが狼ぐらい何か。雨漏り様がもっと怖い。やがて
 天井から雨漏り様が降りてくるからそれに当たらないようにじっと座ってい
 なさい。」と答えました。

  この狼は、「なるほど、雨漏り様とは私より強い者なんだな。ここにいて
 は危ない。それなら牧場の中の馬を食ってやろう。」と牧場に走って行きま
 した。

  その頃馬泥棒が狼より先に牧場に隠れていて、
 「もう真っ暗で何も見えない。しかたがないから、子馬でも何でもいいから
 盗んでいこう。」と待っていたところへ狼がやって来たので、馬泥棒はその
 狼に飛び乗りました。

  ところが狼は、「大変だ。雨漏り様に捕まった。」と思ったから、
 狼は、おならをプッ、プッとしながら夜通し跳ねたり飛んだりして、何とか
 雨漏り様を振り落とそうとしました。

  馬泥棒の方は、馬と思って乗ったら狼だからもう怖くなって、しっかりと
 狼の背中にしがみついていました。
  そのうちに夜明けになったので、狼があたりを見回すと、大きな洞穴が
 あるので、その中へようやく馬泥棒を振り落としました。

  それで、狼は穴の中に落ちている雨漏り様の姿を見てから帰ろうと、その
 穴の傍らから中を見ているうち、尾長猿がやって来て尋ねました。
 「狼さん、君は何を捜しているのかい。」
 「雨漏り様という奴が私の上に乗って抱きついて落ちないので、この中に振
 り落とし、姿だけでも見ようとこうしているのだよ。」

  尾長猿は、じっと穴の中を覗いて見て言いました。
   尾長猿「これは馬泥棒ですよ。」
    狼 「違う。雨漏り様と言うのだよ。」
 「それでは、私の尻尾を穴の中に入れて探ってみよう。」と尾長猿が尻尾を
 下ろして探ろうとすると馬泥棒は穴の中に隠れていて、「助けの縄が下りて
 きた。」と喜んで、尾長猿の尻尾を引っつかんでぶら下がりました。

  尾長猿は急に尻尾を引っ張られたので、「ウワッー、これどうしょう。」
 とわめきました。
  狼も尾長猿が穴の中に落ちないように引き上げようと引っ張っていると
 馬泥棒は命の綱だと思って一生懸命引っぱったので、とうとう尾長猿の尻尾
 は根っこから切れて落ちてしまいました。

 「これはかなわん。大変だ。」と猿も狼も尻を鳴らしながら逃げていきまし
 た。
  それで、この時から日本にいる猿は、尻尾が切れたから尻尾が短くなった
 ということです。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★≪ お願いはじまり ≫★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
当民話は、沖縄国際大学文学部 遠藤庄治教授のご厚意により掲載させて頂いてお
ります。その転載・複写、一部引用等の二次利用は、教育目的、学術的な研究目的、
啓蒙的な意義のある活動(営利を目的としないもの) において自由に可能です。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★≪ お願いおわり ≫★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

沖縄の民話を許可なく無断転載することを禁じます。
Copyright (C) 1999 沖縄まが人


≪戻る