日刊OkiMag

沖縄の民話
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 今回は沖縄のミミズのはじまりについてのお話しです。

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■奥武山(おうのやま)のミミズ    【那覇市】

  昔、沖縄には奥武山(孤島)にしかミミズはいませんでした。
  それで、ある月夜の晩ミミズ達が集まって月見をしていると、ある年寄り
 の爺さんミミズが、「この小さい奥武山の土を全部食べてしまったらどうし
 よう。」と言いました。ミミズ達は「これは大変だ。」とみんな泣きました。

  その涙が小川となり、その川下に青大将がいて「こんなに晴れているのに
 川が流れてくるのはおかしい。」とこの青大将は川を伝って上って行くと、
 ミミズ達がたくさん集まって泣いていました。

  何ごとかと青大将が聞いたら、「この小さい奥武山の土を全部食べたら
 どうしよう。」と泣いているので、「ああ、そんなら心配するな、向かいの
 渡地(わたんじ)には沢山土があるよ。」と答えました。

  それを聞くと、若いミミズ達はフクギの葉に乗って渡地に渡りました。
  やっぱりそこには土があったので、島に帰ってみんなに話したら、
 「それはよかった。」と言って、ミミズ達は本島に渡って来て、それから
 ミミズは沖縄中に広がったということです。
 

 ※奥武山は那覇空港から那覇市の市街地に来る途中の漫湖に架かる橋手前の
  右手にある地名で、現在は地続きになっているが、昔は漫湖の中の島であっ
  た。また、空港からその橋に来る手前の坂をガジャン坂というが、ここは
  唐旅をした人が唐で歌を歌う虫を見つけて土産に持って帰ってきたが、そ
  の坂まで来た時、歌声が聞こえなくなったので、虫を入れた箱を開けると、
  その虫がみんな逃げてしまい、それからその歌を歌う虫の蚊が広まったと
  いう坂である。沖縄では蚊のことをガジャンというのでその名がついた。

  さらに奥武山よりもやや奥にガーナ森という小さい岡がある。
  この岡は、昔、漫湖の南の小禄や豊見城、北の壺川などを荒らし回る大蛇
  がおり、人々が神に祈願すると、神様がその大蛇の頭と胴と尻尾に石を落
  としたので、その大蛇は漫湖の中の島になった。やがてその小島にガーナ
  (水鳥)が集まるようになったので、ガーナ森と呼ばれるようになったと
  いう。今はガーナ森は、「うるくそば」というそば屋の裏になっている。

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