日刊OkiMag

沖縄の民話
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 今回は、沖縄版桃太郎についてのお話しです。

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■ウンタラぬ主の鬼退治    【宮古伊良部町】

  昔々、ウンタラぬ主という人がおりました。力が強く優しいのでみんなに
 好かれていました。
  その頃、ある山の中に赤鬼が住んでいて、悪さばかりしていました。
  それで、ウンタラぬ主は赤鬼を退治しようと思いました。

  ウンタラぬ主は七色の刀を持って七色の馬に乗って鬼退治に出かけました。
  それを見て力持ちのマツガニが、
 「ウンタラぬ主、どこへ出かけるのですか。」と尋ねました。
  ウンタラぬ主は、「赤鬼をやっつけに行くのさ。」と答えました。
 「私も赤鬼をやっつけに連れて行ってください。」と言ってマツガニもついて
 来ました。

  今度は白い鳥が飛んできて、
 「ウンタラぬ主、どこへ行くのですか。」と尋ねました。
 「赤鬼征伐に行くのさ。」と答えました。
 「私も連れて行ってください。」と白い鳥もついて来ました。

  しばらく行くと道の傍らに大きな百足(むかで)がいて、
 「ウンタラぬ主、どこへ行くのですか。」と尋ねました。
  ウンタラぬ主は、「赤鬼退治に。」と答えました。
  大百足は、「私も連れて行ってください。」と言って仲間に加わりました。

  今度は蜂が飛んできて、「みんなどこに行くの。」と尋ねました。
 「赤鬼退治にだよ。」とみんなが答えました。
 「私達も仲間に入れてください。」と言って大勢の蜂を連れて仲間に加わり
 ました。

  夜になってウンタラぬ主は赤鬼の家の床下にもぐりこみました。
  そして、床の隙間から刀で寝ている赤鬼をチクリと刺しました。
  赤鬼は、「今晩の蚤は針で突いたみたいに痛いな。」と言って寝返りを
 打ちました。

  ウンタラぬ主はまた刀でチクリと刺しました。
  赤鬼は、「アガー(痛い)」と大声を出して飛び起きました。
  赤鬼が灯ををつけようと台所に行くと、白い鳥がバタバタと羽ばたいて灰
 をいっぱいにとばしました。赤鬼の目に灰が入って目が見えません。

  慌てて杓(ひしゃく)で水を汲み、目を洗おうとすると、中から大百足が
 飛び出して鬼の顔に噛み付きました。
  赤鬼は、「アガー(痛い)」と言って庭に飛び出しました。

  そこに待ち構えていた蜂達が鬼の体中を刺しました。
  今度は力持ちのマツガニが、赤鬼を七色の馬の前に投げ飛ばしました。
  七色の馬は、赤鬼を思いきり蹴り飛ばしたので、とうとう赤鬼は死んでし
 まいました。
  みんなで赤鬼の家の御馳走を食べ、宝物を馬に積んで帰っていったという
 お話です。

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当民話は、沖縄国際大学文学部 遠藤庄治教授のご厚意により掲載させて頂いてお
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Copyright (C) 1999 沖縄まが人


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