日刊OkiMag

沖縄の民話
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 今回は、犬(いん)とぅ猫(まやー)についてのお話しです。

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■犬と猫と猿    【本部町】

  犬と猫は、沖縄の方言で犬(いん)とぅ猫(まやー)と言って仲が悪いか
 というとこれには訳があります。

  昔、犬と猫と猿を飼っている人がいて、その人の隣は金持ちが住んでいま
 した。猿は、留守番もして賢いので、隣の金持ちは「貴方達は犬もいて猫も
 いて、私達の家には何もいない。だから猿を私達に売ってくれないか。」と
 言ったので、飼い主は「そんなに猿を買いたいのなら売ってもいいですよ。」
 と猿を売りました。

  猿を買った金持ちは、「留守の場合は猿が留守番をするから上等だ。」と
 言って大変喜びました。
  この猿を買った金持ちの家には門の入口に桃の木があり、熟している桃の
 番をするために猿は桃の木に登っていました。

  また、犬と猫を飼っている人は、犬と猫に「さあ、お前達二匹は、私の言
 うことを聞きなさい。 あの家からお金を盗んできなさい。分かってしまう
 と監獄に縛られて入れられるから、誰にも分からないように盗んで来た者は
 私と同じお膳(ぜん)から食べ物を与えよう。また、盗んでこれない者は庭
 へ投げ捨てて食べ物を与えよう。だから頑張って隣の家から誰もいない間に、
 お金を盗んできなさい。」と言いつけました。

  そうすると犬は、本当に知恵のない者だったので、猿が木に登っている
 ことも知らないで、隣の家の門から泥棒をしに入っていきました。
  猿は、「おーい、ほいほーい。」と言って手を打って追い払ったので、
 犬は、門から逃げて帰りました。すると猿は木に登って手を打ってとても
 笑いました。

  それで犬は怒って、とてもゴウゴウと鳴いて家へ帰り、後は黙っていま
 した。
  猫は、こっそり竹薮(たけやぶ)から抜き足差し足に入っていって、壁の
 開いている所から床下へ入り戸締りをしているところは開けないで、床下
 から奥の部屋へ行って銭箱を開けて、また床下から出て竹薮を通り、盗んだ
 金を家に持って帰って来ました。

  主人は、「おお、お前は良く頑張ったな。 お前は私と同じお膳から食べ
 物を与えよう。」と言って喜びました。 
  犬は食べ物を与えられるとき庭に投げ捨てられて与えられました。 
  すると犬はとても怒って、「この猫は、主人と一つお膳から良い食べ物を
 与えられ、私は庭に出して食べ物を投げ与えている。これは納得いかない。
  私は我慢できないから、猫を殺してやろう。」と言って、人がいない時に
 庭で喧嘩したらしいです。

  猫は犬にかなうはずがありません。犬が猫を食い殺そうとしているとき、
 家には庭いっぱいに筵(むしろ)を敷いて大豆を干してありました。
  犬が食い殺そうとしたとき、猫はこの豆を干している上を越え、家の中に
 逃げ隠れ命拾いしました。

  犬は、豆の上を脚で散らかして転んだので猫に追いつけませんでした。
  猫は、それから「この豆があったおかげで私は命拾いをした。私の恩人だ。
 もし食べたら命の恩人に済まないから、もう絶対豆腐類や豆類は食べない。」
 と猫は煮ている豆はどんな豆も食べないし、また豆腐でも出汁るを入れて
 味付けしている豆腐でも食べませんでした。

  また、犬は「豆があったから猫を殺せなかった。こんなのは食ってやる。」
 そう言う訳で、豆腐は犬の好物になっているというお話です。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★≪ お願いはじまり ≫★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
当民話は、沖縄国際大学文学部 遠藤庄治教授のご厚意により掲載させて頂いてお
ります。その転載・複写、一部引用等の二次利用は、教育目的、学術的な研究目的、
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Copyright (C) 1999 沖縄まが人


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