日刊OkiMag

沖縄の民話
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 今回は、龍宮女房についてのお話しです。

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◆龍宮女房  【宮古・城辺町】
 
  昔、サーニャプスという若者が川満(かわみつ)の喜佐間按司(きさま
 あじ)の城に奉公していると、大きな津波が島を襲いました。
  幸いにも、喜佐間按司の城は高いところにあったので命は助かったが、
 両親は津波で死んでしまいました。

  サーニャプスは家がさらわれてしまい住むところがないので、海岸の洞窟
 で一人暮らをしていると、ある日のこと東の海の方から美しい女の人が船に
 乗ってやってきました。
  その女の人は、龍宮の神から最初に会った男と結婚するように言われてき
 たので、最初に会ったサーニャプスと結婚することになりました。

  翌日、二人で浜に行くと大きな材木が流れ着き、次の日の朝には、沢山の
 瓦が置かれていました。
  二人はその材木と瓦で立派な家を建てて暮らし、七人の子供をもうけまし
 た。
  ある日、サーニャプスは、妻が水を汲みに行くとき、家の火の番をするよ
 うに頼まれました。
  その時、妻は、「火にかけてある鍋の蓋を決して開けて見ないでください」
 と言いました。

  しかし、サーニャプスは火の番をしているうちに、いつもおいしい食べ物
 が入っている鍋なので、こっそり覗いてみました。するとその中に入ってい
 るのは、水だけでした。
  外から帰って来た妻は、約束を破られたことを知ると大変怒り、それまで
 仲良く暮らしていた二人は別れて暮らすことになりました。
  やがて、龍宮の女の人は、クバラパースという他の男の人と暮らすように
 なり、二人目の娘を産みました。

  最初の娘はサーニャプスとの間の子供でした。
  その娘が一人前になって、父親に会うことになりました。
  龍宮から来た母親は娘に、もし、父親と会った時、何か娘にものをくれる
 といったら、親牛を貰うようにしなさいと教えました。

  娘がサーニャプスと会うとサーニャプスは、大変喜んで「どれでも欲しい
 牛を連れて行きなさい。」と言ったので、娘は、母親に教えられたとおりに
 親牛を貰いました。
  娘が親牛を引いて帰ると、サーニャプスの家の牛達は、その牛の子牛達だっ
 たので、その親牛の後をぞろぞろとついて行ってしまいました。

  サーニャプスの家の残りの牛達は全て、この娘の牛になってしまいました。
  龍宮から来た母親が、龍宮に帰らなくては、いけなくなった時は、娘達に
 津波を防ぐ方法を教え、龍宮に帰った後も、母親は、彼女らに小豆や稗(ひ
 え)等の種を送ってくれたということです。

 ◆解説:
 「竜宮女房」の話ではあるが、本土の話と違ってこの話は城辺のウイピャー
 御嶽(うたき)の話として伝えられる伝説である。
 津波のために、一人ぼっちになった男の所に龍宮から女が来て結婚する話は
 「遺老説伝」などにも見える話である。
 また、他界から来た女が夫にタブーを破られることで再び他界に去る話も、
 この話のほかに、古事記の豊玉姫の話や夕鶴の話などのように数多く伝えら
 れている。

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